フラメンコ舞踊・・・その魅力
フラメンコの郷里は、スペイン南部、アンダルシア地方です。
焼け付くような夏の強い陽射し・・・
乾いた大地・・・
短い秋と雨の多い冬・・・
春の訪れは早く、咲き乱れる花々が街に溢れると、
フェリア(お祭り)の日々・・・
民俗芸能はいずれも、その土地の風土や、
そこに生きる人々の気質と密接な関わりを持って生まれています。
そして、フラメンコの産みの親である、ヒターノ(ジプシー)と呼ばれる人々には、
束縛・管理社会を嫌い、自由を愛する気質ゆえ、不当に差別され迫害を受けるという、
苦しい時代背景がありました。
今も尚、ヒターノ達はとても貧しく、スペイン社会の底辺であえぐ民衆です。
しかし、誇り高く、強い意志を持つ彼らの魂は、先ず「レトラ」(言葉)となり、
「ギター」を伴奏に「カンテ」(唄)が生まれました。
ある時は家族愛を・・・
また、ある時は、為政者への恨み言を・・・
日々の生活情景を・・・
感じるままに、飾り過ぎない表現で、
語るように、叫ぶように・・・
時に、ヒターノ特有の、強い「訛り」を伴って・・・
それは「カンテフラメンコ」と呼ばれ、
独自のスタイルを確立しています。
やがて踊りがそれらに応え、盛り上げる役割を担って発祥し、
フラメンコは、より華やかに「見せる要素」が膨らみました。
今や「踊り」はフラメンコの「顔の部分」となり、
彼らを迫害した国の支持さえ受けて、
スペインを代表する芸能となっています。
しかし、その魅力を掘り下げるならば、
いちばん根底に流れる「魂の部分」・・・
「カンテ」(唄)を知る事こそ、
最も大切だと言えるでしょう。
川﨑さとみの指導方針
フラメンコを趣味にと思われる方は、先ず「踊り」に興味を持たれることでしょう。
しかし、元来、即興性を重んじるこの芸能は、常に生演奏である為、踊りと同時に、その「音楽性」についても知識を持たなければなりません。唄やギターの構成、流れを知り、伴奏者との駆け引きができるようになってこそ、本当のフラメンコの楽しさ、奥の深さを知ることができます。
特に、プロを目指す方、中級以上のレベルを望まれる方には、「実戦の場で通用する手段」・「唄に応える踊り方」を、詳しくお伝えできるように力を注いでいます。
また、入門クラス、ミセスクラスの方々にも、まずは「楽しむための手段」として、音楽的にリズムをつかむことから始め、徐々に理解していただけるよう、解かり易く指導いたしております。
「趣味」として取り組まれる事・・・気軽に始められて結構だと思います。
ただ、我々日本人にとって「フラメンコ」は、あくまでも外国の芸能・・・異文化です。
理解を深めるにはそれなりの時間と努力が必要ですから、「飽きっぽい方」・「諦めの良すぎる方」・「単なる暇つぶしの方」には不向きなジャンルです。
長期戦の覚悟がある方・・・向上心旺盛な方・・・
貴女の向き合ってくださる眼差し分だけ、私も正面から受け止めさせていただきます。
私にとって、踊りを教えることは、単なる「仕事」ではありませんから・・・・・・
最後に、私が初心者の頃、あるギターリストから戴いた言葉を拝借して、私の指導方針とさせて頂きます。
“貴女が求めて、行動した分だけ、
フラメンコは貴女のモノになる”